置換化石とは何かという説明や、置換化石ができる条件を紹介しています。
今回は植物・葉の化石にフォーカスしてお話しています。植物・葉の化石のでき方、条件、古生物学的価値などに興味がある方はご覧ください。
まずどうして骨も葉も殻もない完全な有機物から構成される植物・葉が化石になるのかという疑問を持つ人はいるかと思います。
これについては有機物が腐敗・分解されるためには水分やバクテリア、カビなど一定の条件が必要だということを考えればわかります。なのでそういった条件がそろいにくい場所、例えば
などなど水分もバクテリアもカビも存在できない・しないような場所に偶然置かれた場合は、有機物であっても長い年月を経て石になることがあるのです。
植物化石の場合は、葉や茎が急速に地中深くに埋もれるなどすれば、堆積物の層に圧縮され、腐敗することなく炭化されたフィルムとして残ることがあります(土中深くの高温高圧の元では腐敗は起こりにくいですからね)。そしてこのようにしてできる植物化石のことを「圧縮化石」といいます。
植物の化石を分析し、植物の復元や同定を行う学問を「古植物学」といいます。古生物学の一分野ですね。
この研究の大きな目的の1つには植物の進化史を明らかにすることにあります。植物は食物連鎖の下層ですから、その他さまざまな生物の進化にも関係してきます。
なので古生物学を研究する上で、植物の化石の研究というのは非常に重要な役割を果たしているのです。